Levothroidと代替薬の比較ツール
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比較結果詳細
甲状腺機能低下症(低甲状腺症)の治療に欠かせない薬がLevothroid 比較です。日本でも処方されるLevothyroxine Sodium(レボチロキシン)ですが、他にも同じ効果を狙える代替薬が多数あります。この記事では、Levothroid と主要な代替薬を「有効性」「安全性」「服用方法」「価格」の4観点で比較し、あなたに合った選択肢を見つける手助けをします。
1. Levothroid(Levothyroxine Sodium)とは
Levothroidは、合成甲状腺ホルモンの一種で、薬剤名はLevothyroxine Sodiumです。日本の厚生労働省が承認した医薬品で、1日1回の服用が基本です。血中のTSH(甲状腺刺激ホルモン)を正常範囲に戻すことが主な目的です。
2. 主な代替薬の一覧と特徴
以下は、国内外で広く使用されている Levothyroxine の代替薬です。各薬剤は同じ甲状腺ホルモン(T4)を供給しますが、製造プロセスや添加物が異なるため、患者さんごとに効果や副作用が変わります。
- Synthroid(米国の代表的ブランド)
- Levoxyl(アメリカ・カナダで広く処方)
- Eltroxin(ヨーロッパで主流)
- Natural Desiccated Thyroid(NDT)(乾燥猪甲状腺抽出物)
- Cytomel(リオチロニン)(T3(トリヨードサイロニン)製剤)
3. 有効性比較
有効性は主に血清TSH値の正常化率で評価します。2023 年のメタ分析(American Thyroid Association)によると、ブランド薬とジェネリック薬のTSH正常化率に統計的な差は見られませんでした。ただし、NDT はT4だけでなくT3も含むため、T3不足の患者で追加効果が報告されています。
薬剤名 | 有効成分 | TSH 正常化率(%) | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Levothroid | Levothyroxine Sodium | 92 | 国内承認、安定供給 |
Synthroid | Levothyroxine Sodium | 93 | 米国 FDA 承認、広範なデータ |
Levoxyl | Levothyroxine Sodium | 91 | 北米市場向け、低アレルゲン性 |
Eltroxin | Levothyroxine Sodium | 90 | EU 規格、錠剤硬度が高い |
NDT | 乾燥猪甲状腺抽出物(T4/T3) | 95 | T3 を自然に含む、個体差大 |
Cytomel | Liothyronine Sodium(T3) | 85 | 速効性、短時間作用 |

4. 安全性と副作用リスク
Levothyroxine 系列は過剰投与で心悸亢進や骨密度低下が懸念されます。特に高齢者では 骨粗鬆症 リスクが高まります。代替薬の安全性は次のようにまとめられます。
- Synthroid:添加物が少なく、アレルギー報告が最も低い。
- Levoxyl:乳糖不耐症の人でも比較的安全。
- Eltroxin:錠剤が硬く、嚥下困難な人には注意が必要。
- NDT:T3 が含まれるため、心拍数上昇や不安感が起きやすい。
- Cytomel:T3 単独投与は血糖コントロールに影響することがある。
いずれの薬でも、服用開始後4〜6週間で血液検査を行い、TSH と FT4 のバランスを確認することが推奨されます。
5. 服用方法と生活への影響
Levothroid は空腹時に水だけで服用し、食事やサプリとの相互作用を避けます。特にカルシウムや鉄分と同時に摂ると吸収が大幅に低下するため、30分以上の間隔をあけるのがベストです。
代替薬でも基本は同様ですが、以下の点で差があります。
- Synthroid:ナチュラル成分が少なく、胃酸抑制薬の影響が比較的少ない。
- Levoxyl:錠剤が薄く、飲みやすい。
- Eltroxin:錠剤が硬く、胃酸が低い人は崩れにくい。
- NDT:植物性カプセルが使用されるため、ベジタリアンに適している。
- Cytomel:T3 の半減期が短く、1日2回に分けるケースが多い。
6. 価格と保険適用状況
日本国内では Levothroid と同等のジェネリックが保険適用されるため、自己負担は比較的低く抑えられます。海外ブランドは保険対象外が多く、1 錠あたり200円~500円の差があります。
薬剤名 | 保険適用 | 平均価格(円) | 備考 |
---|---|---|---|
Levothroid | 可 | 120 | ジェネリック多数 |
Synthroid | 不可 | 380 | 輸入薬、保険外処方 |
Levoxyl | 不可 | 350 | 北米輸入 |
Eltroxin | 不可 | 310 | ヨーロッパ輸入 |
NDT(Armour Thyroid) | 不可 | 420 | 乾燥甲状腺抽出 |
Cytomel | 不可 | 460 | T3 専用 |
保険適用の有無は、医師と相談しながら最適な薬を選ぶ重要なポイントです。

7. どの薬が自分に合うか判断するチェックリスト
- 既往症はあるか?(心疾患・骨粗鬆症・腎不全)
- 現在使用中のサプリや薬との相互作用リスクは?
- 保険適用が必要か、自己負担をどれだけ許容できるか。
- T4 と T3 のどちらが不足しやすいか(血液検査で FT3/FT4 を確認)。
- 服薬のしやすさ(1 回/日 vs 2 回/日、錠剤の形状)。
上記項目を医師に見せて相談すれば、Levothroid が適切か、あるいは代替薬へ切り替えるべきかが明確になります。
よくある質問(FAQ)
よくある質問
Levothroid と Synthroid の効果に違いはありますか?
有効成分は同じ Levothyroxine Sodium で、臨床的な効果に大きな差はありません。ただし、添加物や製造ロットの微差が吸収率に影響し、個人差が出ることがあります。血中 TSH が目標値に達しない場合は、製造元を変えてみる価値があります。
NDT(乾燥甲状腺)は安全ですか?
自然抽出のため T3 が含まれ、T4 単独薬より速効性がありますが、成分のバラツキが大きく、過剰投与で心悸亢進や不安感が起きやすいです。使用前に必ず内分泌科医と相談し、定期的な血液チェックが必須です。
Levothroid は食事と一緒に飲めますか?
基本は空腹時(朝食前30分)に水だけで服用します。カルシウム、鉄剤、制酸剤と同時に摂ると吸収が妨げられるため、最低でも2時間は間隔を空けましょう。
保険適用外の薬でも効果は期待できますか?
保険適用外でも有効成分が同じなら効果は同等です。ただし、価格が高くなる点と、保険外処方では医師の処方箋が必要になることが多いです。経済的負担と治療効果のバランスを考慮してください。
まとめると、Levothroid は日本国内で手に入りやすく、保険適用も受けられる点が最大の強みです。一方で、T3 が足りない、または添加物に敏感なケースでは Synthroid、Levoxyl、NDT、Cytomel といった代替薬を検討すると良いでしょう。最終的には、血液検査の結果と生活スタイルを踏まえて医師と相談し、最適な薬剤を選んでください。
雅司 太田 - 8 10月 2025
甲状腺の薬選びは不安になりますよね。自分の症状に合わせて医師と相談しながら、Levothroid のメリットとデメリットをしっかり把握していくのが大事です。